あの子が衣装に着替えたら

ライブハウスとサッカースタジアムに溺れる人による、アイドルとその周辺の音楽のこと。

【ネタバレないよ】バンド沼住民、初めて関ジャニ∞のライブに行く。

※当記事は前半がライブに行く前の状況、後半がネタバレなしの感想です。全部で7,031文字あります。長いです。と、いうわけで、てめーの日記は興味ないという方は真ん中らへんのオレンジ色の太文字で「やばみがすごい」と書かれた箇所までスクロールするとライブの感想のみが読めます。

 

札幌でモーニング娘。のワンマンライブが行われる日に、他のアーティストのワンマンライブに行くのは初めてだった。

 

毎週「関ジャム完全燃SHOW」を楽しく見ているし(超いい番組で末長く放送されてほしいのでみんな観て)、色々と好きなものとのご縁もあったり、何よりSNSはてブで見かけるeighterさんがみんな素敵でこういうファンの方々に愛されるアーティストのライブは楽しいに決まってるので、一度関ジャニ∞のライブは見てみたいな〜と思っていた。

そんなことを漠然と考えていた今夏、ライジングサンロックフェスティバルでTHEイナズマ戦隊が「ズッコケ男道」をやっているのがテントサイトまで聴こえてきた(野外2日間のオールナイトフェスなので会場にテントを立てて休む事ができるよ!楽しいよ!)。一緒に行っていた友人たちとみんなで遠くから聞こえてくる曲に合わせてテントでブンブンしていた時「次のツアーは絶対行って本物のブンブンするんだ…!」と心に決めた、というか確かその時「関ジャニ∞行きてえ」「バンドセットで夏フェス出ろよ」という話をみんなでした気がする。そんなわけでどうしても一度行きたかったので、関ジャニ∞のライブに行くことにした(妹がeighterなのでファンクラブで札幌ドーム公演のチケットを取ってくれた)。「モーニング娘。'16の札幌ライブと日程被ってるじゃん!」ということは引っかかったけれど、娘。ちゃんはこれからも何度も行く機会があるだろうけど、関ジャニ∞は今回を逃したら二度と機会がないかも知れないな…と思い、ちょっとだけ後ろめたい気持ちを抱えながら、今回は関ジャニ∞のライブに行くことに決めた。
まさかあんなことになるなんて思わずに。


待ちに待ったライブ当日、開演3時間前。
私たち姉妹はライブ参戦を目前にしながら、ステラプレイス6階の飲食店で、お通夜のようなテンションで友人を待っていた。
たこ焼き柄のバッグ(可愛い)を持ち、お揃いのオレンジのカーディガンの中にメタラーみたいなツアーTシャツを着て、傍目にはライブを前に浮かれきった奴にしか見えないはずの出で立ちで、深いため息ばかりをついていた。ツイッター次々続々流れてくる、その日札幌でライブを行う予定の色々なアーティスト本人とファンの方の状況、天気予報、交通情報…流れてくるのは気が沈むものばかり。新千歳空港行きの飛行機は引き返す便が続出し、欠航の便数だけがどんどん増えていく。

2016年12月10日。
この日、札幌では複数本のライブが予定されていた(ベッシーホールではザ・チャレンジ、ペニーレーン24ではRIP SLYMEニトリ文化ホールではモーニング娘。'16、札幌ドームでは関ジャニ∞)。他のライブに行く予定の友人とランチの約束をしていたので、朝と呼べる時間に妹と合流し「丸ちゃん札幌にいるね!(サタプラの生放送後に大阪からくるんだと思っていたので「天候不良なら丸ちゃん来れなくなるのでは…?」と数日前から心配していた)」と喜びあい、午前中には先行物販(ってジャニーズでは言わないのかな?)に行ってグッズを買った。物販は待ち時間ゼロでスムーズに購入出来てしまい(せっかくなので8番窓口で買った)、まだ当日入りのeighterさんは到着していないんだなぁ…とは思ったが、この時点ではあまり心配はしていなかった。待ち合わせ時間まではずんだシェイクエクセラを飲んだり、「慶ちゃん…」と呟きながらコンタクトのアイシティに吸い込まれたり、ピヴォのタワレコlyrical schoolのインストアが13時からあるのを知り「見たい!」と言って妹に「私だけなら許可するけど、友達との待ち合わせの約束13時なんだからダメだよ」と至極真っ当な理由で怒られたりしていた。しかし、路面状況の悪化で友人が待ち合わせに遅れる事になり、時間つぶしにツイッターで状況を追っていた間、様々な状況が悪い方へとどんどん変わっていっていた。

13:30、開演時間の早いモーニング娘。'16のライブがメンバーが札幌入りできずに中止になったという情報が入ってきた。会う時間こそ取れなかったものの、私たち姉妹の共通の友人は、モーニング娘。'16のライブのために青森から札幌入りしていた。その報を聞いて物凄く落ち込んだ。私もモーニング娘。'16の方を選んでいた可能性だってある。
更には、朝から「羽田を出発した飛行機が新千歳空港に着陸できない」という状況を機内WiFiを駆使して実況ツイートしていたバンド「ザ・チャレンジ」の沢田チャレンジ先輩(沢田チャレンジさんではなく沢田チャレンジ先輩と呼びたい)がついに「羽田へ戻ることが決定しました」とツイート。

彼らは前回の北海道ライブが夏のライジングサンロックフェスティバルで、その際はANAの荷物積み残し騒動に巻き込まれ機材がライブ開始ギリギリまで到着しないという災難にあっていた。どうしてまたザチャレなのか、今度こそ無事にたどり着いて欲しかったのに。私たちと待ち合わせの約束をしていた友人は、他でもないザ・チャレンジのライブに行く予定だった。

天候不良は対策は出来ても、それでも絶対はない。誰も悪くない。

丸ちゃんが札幌にいるということは関ジャニ∞は既に札幌に到着しており、物販が予定通り行われていたということは荷物も届いている、ドームの裏に複数の大型車が止まっていたので機材も届いている。関ジャニ∞のスタッフの用意周到さと、飛行機に乗らずとも札幌ドームにたどり着ける地に住んでいるという地理的条件により、私たちはこれから余程のことがない限りライブが観れる。けれど、他のライブに行く予定の大切な友人たちは「アーティスト本人が到着しない」という異例の事態のため、札幌の地にいるにもかかわらずライブを観ることはできない。ツイッターには飛行機が欠航になってしまい関ジャニ∞のライブに行くことができなくなってしまったという声も溢れはじめていた。

会いたい夜はどうすればいい?

待ち合わせに遅れてきた友人は、落ち込みと投げやりが混ざったように「物販の荷物だけ届いてるからグッズだけ売るんだって…貢いでくるよ…」と言っていた。どうすることも出来ずに、「サツエキの抽選会の補助券」を押し付けて「これでガラポンしておいでよ!今なら当たるよ!」と激励した。それしか出来なかったのに、補助券は一枚足りなかった。

 

友人と別れ札幌ドームに向かうものの、まだ気分は重い。本当にこの状況で私が行っていいのか。東豊線の車両は想定していたほどの混雑ではなく、札幌ドーム最寄りの福住駅から地上に出ても状況は同じで、「実は観客の多くが遠征組で、本当にお客さんがいないということもあり得るのでは?」と思ってしまった。地下鉄もドームまでの道も入場待機列も北海道コンサドーレ札幌の試合のときの方が明らかに長い。

しかし、札幌ドームの北ゲートへと続く入場列に並んでいたその時、衝撃的なものを見てしまった。

「みなさん!!関ジャニ∞のライブ楽しんできてください!!」

モーニング娘。'16ライブ中止になりました!!」

「ヲタクは来たけどメンバー来れませんでした!!」

そこにいたのは、入場列の横でサイリウムを振り「会場推し(チケット無いけど現場に来て会場周辺で空気感を味わったり入場するファンを応援したりする女子アイドルファン文化)」をする、はるなんこと飯窪春菜ちゃん推し、どぅーこと工藤遥ちゃん推し、まりあんらぶりんこと牧野真莉愛ちゃん推しの3名のモーニング娘。'16ファンだった。完全にやけくそだ、でもちょっと楽しそうだ、そしてこういうこと出来るのはやっぱりモーニング娘。のファンらしさだ。私の大好きな娘。ヲタだ。「楽しむことは人間の義務なんだよ」って歌ってるグループのファンだ。もし私が関ジャニ∞ではなく娘。のチケットを買っていたら、一緒に会場推しをする側に回っていたと思う。あと多分、ESTAの地下のキャンドゥでスケッチブックとマーカー買って「関ジャニ∞のチケット譲ってください」をした。

私の「来られないeighterさんもたくさんいるのに、中止になったライブもたくさんあるのに、こんな状況で関ジャニ∞が一番好きなわけでもない私がライブを楽しんで良いのか…」という沈んだ気持ちを晴らしてくれたのは、間違いなく彼らだった。見れない人全員が恨んでるわけじゃない。「私は真莉愛ちゃん!」と彼らに叫んで、吹っ切れることにして入場した。

 

やばみがすごい。

私は札幌ドームでライブを見るのは3回目だった。2001年に初めて札幌ドームで開催されたB'zのライブ、そして今年の2月のももクロちゃんのライブ、彼らと比較しても明らかにステージセットの組み方がおかしい(褒め言葉)。札幌ドームが初日だったため、ネタバレになるので書けないのがもどかしい(関ジャニ∞界隈がネタバレ可なのかどうかわからないのでネタバレは書かない)。頻繁に(サッカー観戦で)来ている札幌ドームがまるで初めて来る場所のように感じた。ステージセットを見て、チケット券面の座席を見て浮かんだ疑問が一気に解消した。行ける方は是非自分の目で確認してほしい。

座席について物販で買った「光るたこ焼き棒(ペンライト)」を点灯させてみたら、ただそれだけで笑みがこぼれた。やばみがすごい。ペンライトは女子アイドル現場御用達のキングブレードのようにメンバーカラーにカラーチェンジが出来る優れもので(横山くんはメンバーカラーが黒なのでライトは白になっていた)、それなのにたった1,600円で購入出来てしまうという女子アイドル運営に一刻も早く知らせたい価格設定だった。NEWSの時も書いたけど、ジャニーズグッズ安過ぎない?おかしいでしょ?採算取れてる?

これまでに体感したことのない状況に語彙力を失い「やばみがすごい」しか言えなくなっていた私たち姉妹だったが、そうこうしているうちに開演時間は近づき、客席は8割がた埋まってきた。ツイッターを見ると「娘。のライブ中止でヲタが関ジャニ∞に流れてる」という情報が飛び交っていた。といっても、さすがにニトリ文化ホール2,300人の娘。ヲタが全員来たところで200便以上の欠航分が埋まるわけが無い。浮いたチケットの分を急遽家族や友達を誘ったりというのもあっただろうし、あまりにもイレギュラーな事態だったため「チケットを持った人が欠航で来れなかった」等の状況にはコンサート事務局もかなり柔軟な対応をしていたらしい。その影響か開演は10分押したけれど、その10分でスタートからライブが観れる人が増えるなら痛くない。

 

ライブは想定してなかった場所からメンバーが登場し、あの曲のまさかのパフォーマンスでスタートした。ちょっと待て、こんな始まりは想定してなかった。どうなってんだ関ジャニ∞…と思う間もなく、あの曲と私が個人的に大好きだけど絶対やらないだろうと思われた曲、普通に知らなかったけどめちゃめちゃカッコ良い曲が奏でられていく。あ、知らなかった曲は帰ってすぐCD買いました。最初の挨拶は少し硬くて、天候のこと、来られなかったeighterがいること、そういう空席があること、状況を慎重に言葉を選んで伝えてくれた。その場にいないeighterへの気遣いがあたたかい。だから彼らは愛されているんだと思った。

しかし、そんなMCの中で男女煽りで異変があった。

村上くん「男eighter!!!」

男eighter「うおー!」

ちょっと待って男eighter多すぎ待ってどこから湧いたのこの人数多すぎないNEWSこんなにいなかった多い待ってファン層違うにしても多い絶対男eighter多いって!!!!!!!(混乱)

関ジャニ∞ライブ初体験の私でもわかる、明らかな男子の多さ。あまりの男子の多さに騒めき沸き立つ客席に、自分たちで煽っておきながら大きすぎる男子の声が返ってきて素で驚くメンバー。これはもしかして、本当に娘。ヲタが来ているのでは…。娘。ヲタは機動力と適応能力が高いんだけどもしや…。

 

ネタバレ無いように…となると、セトリに触れられないけれど、自分の知っている「関ジャニ∞はこういうこともやる、できる」という姿はほとんど観れたような気がする。ステージに立つ彼らは、抱いていたイメージやパブリックイメージの関ジャニ∞の上位互換とも呼べるような感じで、ステージに立つ姿の方がハッキリと男らしくカッコ良かった。

イメージと全然違ったのは、横山くんがヒルナンデス!で観る姿とは全く違いドールのようなスタイルの良いとんでもない美形だったことと、すばるくんがユニゾンでもハッキリと主張する歌声を持つ想定以上の超絶ボーカリストすぎたことと、村上くんが好きになったら10年20年推していかなきゃいけないような沼の深そうななんとも言えない危険な魅力を放っていたことと、丸ちゃんがギャップという沼を併せ持つカッコよすぎるベーシストだったことと、錦戸くんがエレアコ持つとバンドマンのオーラしか出ないことと、やしゅだしゃんカッコいいギタリストだと思ってたら可愛いアイドルだったことと、あのセクションの間はなぜか大倉くんにしか目が行かなかったこと。特に村上くんはテレビで毎日見るバラエティタレントのようなイメージだったけど、「上手く説明できないけど絶対にこの沼は深い」というオーラがあった(同じタイプの危険なオーラが出ているのはももクロのれにちゃん)。思ってたよりずっとかっこいいじゃん!なんなの!!

 

知ってるつもりになってたけど、私は関ジャニ∞の魅力なんて全く知らなかったんだと思い知らされた。

 

空席は確かにあったけど、それは関ジャニ∞のせいで出来た空席なんかではなくて、むしろ「ギリギリのスケジュールになってでも遠征したい」と思ってチケットを買ってくれたお客さんが座る予定だったはずの席だった。それは彼らにそれだけの魅力があるからだ。それなのにメンバーは何度も何度も「今日来れなくなってしまったeighter」と口にした。誰も悪くない。この挨拶もドームでみんなで「来れなかったeighter」に送った拍手も、札幌ドームに来れなかった人には届かない。けれど、あの場にいた数万人は確かに「来れなかったeighter」のことを考えていた。その場に立ち会えた人間がどれだけ考えていたとしても、ライブに来れなかった事実は変わらないだろうし、なんならムカつくかも知れないし、本当に無力だったと思う。なんとかして「チケットがあったのに札幌ドームに来れなかった方」が、笑顔になるような未来があればいいなと思う。次のチケットでアリーナAが来るとかレコメンでメール読まれるとか。

 

そんなわけで良いライブだったねーで終わりたかったのに、私がブログをなかなか書かずにいた間に奴が、ハマ・オカモト師匠が爆弾を投下してくれた。

 

先に言えええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!

さすがにドームの距離じゃアンプは見てなかったわ!!!!!!!!!!!!!

おかげで姉・OKAMOTO'Sファン、妹・eighterの姉妹LINEは大変なことになりました。言えよ、ツアー始まる前に言えよ。そして、この写真はやはり「光るたこ焼き棒」のパッケージなんだろうか…。あとツアーパンフのやしゅだしゃん…エフェクターの話が濃すぎて普段はロキノン厨の私達姉妹もついて行けないし、ツアーパンフじゃ持て余してる感あるからさ…ギターマガジン…ギターマガジンが一刻も早く取材に行ってあげて…。

 

次のツアーもこれに懲りず札幌に来てくれることを道民として切に願い、また出来ることならライジングサンロックフェスティバルやJOIN ALIVEのような北海道の夏のロックフェスにバンドセットで出ていただければ嬉しいです。多分、関ジャニ∞のライブはまた行く。楽しかった!

 

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