あの子が衣装に着替えたら

ライブハウスとサッカースタジアムに溺れる人による、アイドルとその周辺の音楽のこと。

アイドルは泡沫の恋。モーニング娘。'16「泡沫サタデーナイト!」

私はどうしてもこの曲を多くの人に聴いてほしい!!!

ということで読むの面倒な人は動画置いとくので見てください。モーニング娘。'16「泡沫サタデーナイト!」です。考えるな!感じろ!!!!
 
【以下は春ツアーに行けなかったハロヲタこじらせてる人による長文です】
 
ひょっとしたら「誰かが辞める時」がアイドルが一番注目されてしまう時なのかもしれない。そうなったのはもしかしたら、大々的にいわゆる「卒業商法」を打ち出してきたモーニング娘。のせいかもしれない。
けれど、アイドルとしての未来を生きていくのは、辞めていく人ではなく辞めて行く人を見送る人だ。なっちが卒業しても、ミキティが辞めても、さゆが卒業しても、今日だってモーニング娘。は辞めて行く人を見送ってきた人によって続いている。
 
それでもさすがに、鞘師里保鈴木香音の卒業は「ただならぬこと」なのでは?と思わされた。加入時の期待通りに成長したエースと、現在の娘。で最も一般知名度の高いメンバーの立て続けの卒業。(田中)れいなや(道重)さゆみのような「やりきって」の卒業には見えなかったため要らぬ憶測も呼んだ。
けれどその変な空気を、当の卒業していくズッキが「しけた顔しちゃ勿体ない!勿体ない!」って叫ぶ、最高でしかない楽曲の力が盛大にぶっ壊してくれた。いや、ヲタをしけた顔にさせてんのは他でもない卒業していくお前だよ!今頃本領発揮してるんじゃねーよ!そのセリフ部分最高なんだよ!って笑いながら返したくなる。明るくてあっけらかんとして、キラキラと眩しい。
 
若さや青春の眩しさがアイドルのキラキラを増幅させていることに、長年ドルヲタやってると気づいてしまう(女子アイドルの場合ね、男子はまたちょっと違ってくるけどこの話は長くなるのでまたいつか)。卒業を惜しみながらも、そのキラキラした眩しい時間が短いこと、私たちファンの前にさらけ出してもらえる期間は永遠に続くわけではないことも実はよく理解している。だからこそ「恋は泡沫」って歌う姿が眩しい。
 
けれど音源解禁時に、卒業の寂しさなんて感じない明るく楽しい絶対ライブで盛り上がる曲だと感じる一方、その眩しさに鼻の奥がツンとして涙が出そうになった。
いわゆる「黄金期」に高校時代を過ごした私にとって、モーニング娘。は今でもあり青春でもある。
プラチナ期やフォーメーションダンスの、ちょっとやそっとじゃ真似の出来ない「スキルの高い」モーニング娘。にハートを撃ち抜かれた人には、「泡沫サタデーナイト!」の振りコピしたくなるダンスとワチャワチャした可愛さは新鮮に映るかもしれない。
けれど、高校時代に制服を着てカラオケ屋で踊っていた頃の私が夢中になったモーニング娘。は「振りコピしたくなるダンスとワチャワチャした可愛さ」のモーニング娘。だった。時間の流れやメンバー編成によって、モーニング娘。の得意とするものは日々変化して行ったし、その全てを愛をもって肯定してきたつもりだ。だから私は、常に「今のモーニング娘。が一番」だと思って生きてきた。
それでも、あの頃の地球の歴史からするとどのくらいなのかわからない程度の青春の1ページを「泡沫サタデーナイト!」を聴くと思い出してしまう。
 
メンバーがどんどん入れ替わっていくのがモーニング娘。の特色とはいえ、現在の12人編成でのリリースはこの「泡沫サタデーナイト!」収録のシングルのみ(「The Vision」「Tokyoという片隅」とのトリプルA面)。「鞘師卒業後、鈴木卒業前」という丸5ヶ月しかない期間にリリースされるこの曲は「歩いてる」以来10年ぶりの「シングル一枚限りのメンバー編成」。…歩いてるって10年前なの?まじですかスカ。。。いわゆる「黄金期」のモーニング娘。は、娘。の歴史の中でも比較的ハイペースでの加入卒業が繰り返されていたため「シングル一枚限りのメンバー編成」も珍しくなかった。そんなところもなんとなくあの頃のモーニング娘。で、そして今のモーニング娘。の「恋は泡沫」って歌詞に重なる。「う!たかた!」のコーラス、どうしても「恋のダンスサイト」を思い出してしまう。
 
さて、私の思い出話だけ書いても仕方ないので、最後に大切なこと書いておきます。私、「泡沫サタデーナイト!」で、さゆロスが治りました!!!!
自分的に全然さゆロスになってないつもりだったけど、現場に行っても推しがいない虚無感も、新曲が出てもなんとなくノリきれない感覚も(これは単に好みの曲が来なかっただけだけど)、あんなに大好きだったピンクが全然手に取れなくなってしまったことも、さゆの卒コン以降のライブBlu-ray買ってないことも、ハロコン行ったら他のグループの方が眩しく見えたことも、考えれば色々と動かぬ証拠はあったのになんとなく自分の中で「さゆロス認めたら負け」みたいな感情にセーブされていたところがあって、このボンヤリした気持ちはなんだろう…と誤魔化してきたけど、やっぱりさゆロスだったみたいです!そして!治った!!泡沫楽しすぎて治った!!
 
毎回行ってたツアーも春ツアーは仕事の都合で行けなかったけど、次のツアーはまたモーニング娘。'16に会いに行きたい。単色ピンクのペンライトは封印したままになっているけれど、ブルーライト消して、どんな色にでも出来るキンブレを持って行かなくちゃ。楽しいなー!!!